投稿者: ジャパンホッパーズ編集部(Japan Hoppers Editors) 01 Sep 2017

枝豆の王様を収穫する

枝豆の王様を収穫する © Iry

日本では古来より、大豆を未成熟の時点で収穫し、枝豆として食べる習慣がありますが、現在は種皮や鞘の産毛の色の違いにより、大きく分けて「青豆」「茶豆」「黒豆」の三つの品種に区分されています。

「青豆」は最も一般的で、日本で枝豆というとこの「青豆」の枝豆を指し、全国的に栽培されています。また、「茶豆」は、鞘に生えている産毛が、青豆が白っぽいのに比べて少し茶色がかっているので茶豆と呼びますが、こちらは東北地方や北関東地域で栽培されており、山形県の「だだちゃ豆」や新潟県の「黒埼茶豆」はブランド枝豆として有名です。収穫時期も七月末から九月上旬までに限られ、人気を博してきました。

さらに生産地域や収穫時期が限定されているのが「黒豆」です。こちらは関西地方で多く栽培されており、お正月のおせち料理の煮豆の材料としてしっかり成熟させた後で収穫しますが、これを生育途中の状態で収穫して、枝豆として食すようになったのが、黒豆の枝豆です。その中でも丹波篠山地方で栽培されている通称「丹波黒」と呼ばれている大豆は、篠山盆地特有の昼夜の寒暖差による降霜と粘土質の土壌の効果で、極めて上質で大粒な黒豆に生育し、高級食材として流通していますが、これを枝豆として食すことが、毎年十月の初旬から下旬にかけて可能になります。ただ、本来は黒豆として商品化されますので、その収穫量は限定的であり、この時期にこの地域へ行かなくては食べることは叶いません。この貴重な枝豆は「黒枝豆」と呼ばれ、幻の枝豆としても最近有名になってきました。

黒枝豆の特長は、まずその大きさと色です。青豆の枝豆と比較するとその粒の大きさは倍近くあり、そして鞘は茶褐色の斑点に覆われて、中の豆粒も黒味がかった緑色をしています。これは豆の皮にアントシアニンという色素が多く含まれているからでもありますが、豆の中に詰まった栄養素が外へ染み出しているとも言われ、それだけ栄養価が高いということも示しています。きれいな緑色ではなく、汚く見える外観のものほど美味しいのが、またその特長でもあります。

10月半ばの丹波篠山は、柿も色づき、大きな鞘をたわわにつけた丹波黒の大豆畑が一面に広がって、日本の里の秋を感じさせます。収穫は、畑に入って大きな剪定鋏などを使って株の根っこから切り取り、そこから葉っぱを切り落として枝ごとの束にしていきます。枝についたままの状態で一時的に保存しますが、食べる時には、そこから鞘を切り取り、大きな鍋で4~5分塩茹します。豆は大粒ですが、肉質はとても柔らかく、何と言ってもその甘みは通常の枝豆では想像できないほどです。この時期、篠山エリアの幹線道路の道端には、のぼりを立てた俄販売店があちこちに建ち並び、「黒枝豆」を一キロ程度の束にして売っており、大阪神戸からたくさんの方が幻の枝豆を求めて訪れます。

枝豆は健康志向による日本食ブームにも乗って、世界のあちこちでも食べられるようになり、海外にも多くの枝豆ファンが存在するようですが、この黒枝豆を求めて一度は丹波篠山を目指してほしいものです。



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ジャパンホッパーズ編集部 / Japan Hoppers Editors

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