日本酒

日本酒とは

日本酒とは、米と麹と水を主な原料とし、日本特有の製法で醸造された清酒だ。特に日本では、製造中に「こす」という工程が入った、アルコール分が22度未満のものをいう。同じ製法で22度以上の日本酒を作ることも可能だが、そうなると法律上は日本酒ではなくリキュール扱いとなる。

日本酒の歴史

紀元前300年から紀元前200年ごろにかけて、大陸から水稲が伝わった日本での酒造りの歴史は古く、250年頃に書かれた書物「魏志東夷伝」には既に日本酒についての記述が登場する。平安時代(794-1185)には、現代の日本酒とほとんど変わらない製法で様々な酒が作られていたと伝わっており、江戸時代(1603-1868)になると、杜氏が率いる日本酒の職人集団である蔵人が作る酒として商品化されるようになったという。

日本酒の種類

日本酒は一般に流通しているものの大部分を占める普通酒と、原料や製法が一定の基準を満たす特定名称酒に分けられる。特定名称酒はさらに原料や精米歩合によって吟醸酒、純米酒、本醸造酒の3つに分けられる。また、この3つの分類はさらに、大吟醸酒、純米吟醸酒、純米大吟醸酒、特別純米酒、特別本醸造酒を入れた8種類に分けられる。

上記だけでも非常に多くの酒があるが、それらの分類以外にも、日本酒は製造上の特徴から10以上の種類が存在する。生まれたままのフレッシュさが味わえる生酒や、アルコール分の調整をしていない濃厚な風味を持つ原酒、2、3年あるいは5年以上貯蔵することでまろやかさが生まれる長期貯蔵酒、樽に詰めることで木の香りが楽しめる樽酒、もろみを目の粗い布でこしただけの白く濁ったにごり酒など、それぞれで味わいが異なるので、是非、飲み比べてみて欲しい。

日本酒の楽しみ方

日本酒は冬から春、夏から秋へと、四季の移ろいと共に生まれ育つという、日本独自の気候や風土が創りだした酒である。そして、燗でも冷でも美味しく飲めるという世界でも珍しい酒で、種類にもよるが飲用温度に5℃から55℃くらいまで幅があるという特徴を持つ。燗にすれば豊かな香りと濃厚な味が楽しめ、冷にすればキリリとした口当たりが楽しめる。

日本には「花見酒」「月見酒」「雪見酒」という言葉が存在する。どの言葉もその名の通りの意味だが、「花見酒」とは春に咲く満開の桜を愛でながら、「月見酒」とは満月、特に「中秋の名月」と言われる秋深まる時期の月を見上げながら、「雪見酒」とは冬に降る雪や積雪によって広がる銀世界を眺めながら、それらの景色を肴に酒を楽しむという、日本古来より続く酒飲みの風物詩である。

その他にも、日本では正月になると神社でお神酒が振る舞われ、結婚式では三三九度の契りの酒が飲み交わされ、マイホームを建てるときの建て前の儀式にも必ず日本酒が祀られる。日本酒は日本の慶事には欠かせないものなのである。

なお、日本酒はアルコール度数が強いので、人によって好き嫌いが分かれる。苦手な人にはもちろんだが、好きな人にこそ念を押しておきたいのが、酒の合間に水を飲むということだ。これは「和らぎ水」とも言われ、深酔いせず上手に酔うために必須である。また、合間に水を挟むことで口の中がリフレッシュされ、次に口にする料理や酒がより美味しく感じられる。

日本酒が飲める場所

日本には酒造の蔵が点在し、各地で地酒が楽しめる。特に兵庫県の灘や京都の伏見、広島の西条は日本三大銘醸造地として知られている。その他、新潟や宮城、山形、福島などの地域の日本酒にもファンが多い。東京の「小澤酒造」のように、実際に醸造が行われている様子を見学できる酒蔵も多くあり、施設内では利き酒ができることも。お土産として日本酒を買うこともできるので、是非、全国の酒蔵を訪れてみよう。

また、酒蔵以外にも居酒屋や立ち飲み屋といった酒場で飲むことができる。酒蔵では実際にそこで作られているこだわりの酒のみを味わえるが、居酒屋や立ち飲み屋では色々な産地のものを扱っていることが多い。チェーン展開している居酒屋だと大手メーカーのものが、日本酒に力を入れている酒場だと地酒や人気の銘酒から、店主おすすめの酒まで様々な日本酒が楽しめるだろう。

なお、日本酒などの酒を飲んだ後で車の運転はしてはいけない。楽しく、正しく飲むためにも、酒造や酒場に行くときは必ず公共交通機関を利用してほしい。